このたびは、当社ホームページをご覧いただきまして誠にありがとうございます。冒頭から私事で恐縮ではございますが、私は 46歳の時に東邦セレモニーに入社するまでは物販及び卸業種の会社を経営しておりました。
社会全体のグローバル化と流通システムの変化等の要因、そして不景気による業績悪化に伴い廃業を余儀なくされ、15年ほど前この地に引っ越してから東邦セレモニーに就職いたしました。
以降は、葬祭アドバイザーとしてご家族様を失った方々のお手伝いを務めさせていただきましたが、昨年 87歳の前社長の引退により後任を継ぐ形で代表となり現在に至っております。
前職では取引先の多い会社だった事もあり、会葬者としては全国各地で葬儀に参列する経験も数多くありましたが、個人的には葬儀そのものに全く興味はなく、私自身が当時は世間一般で浸透していた「 人様の不幸につけ込んで甘い汁を吸う 」的なイメージを抱いており、葬儀社に対して良い心象はありませんでした。
また「 葬祭業 」という、人様のご他界ご不幸に関わる特殊な職種には若干の抵抗や葛藤・躊躇（ちゅうちょ）もありました。
ただし、再就職にあたり贅沢に仕事を選べる年齢でもなく、そして縁あって訪れた東邦セレモニーは安月給ながら、そのぶん社員にノルマの強要や歩合給で社員に利益追求を強いるような社風ではなかったので、入社してお世話になる事を決めた次第です。
自身の葬儀の実体験としては、もう 30年近く経ちますが父が肺がんにより 61歳にて他界。
その際、たまたま紹介された某大手葬儀社に「 そこなら社名も聞いた事あるし 」と、ある程度の安心感を持って依頼したところ・・・
当時のお葬式は、一般家庭の平均費用でも総額 200〜300万円はかかると言われていた時代背景でしたが、父の葬儀終了後に、その数倍の請求金額を目にした際に驚いた記憶は今でも鮮明に残っております。
葬儀社勤務になり、生業として逆の立場になった事で、絶えず自問自答をくり返しながら自分なりに葬祭業者の役割、または依頼をお受けしたご家族様に果たして何ができるのか、を考えてきました。
おためごかしの美辞麗句ではなく、残された方々のお悲しみやお疲れを少しでも和らげるべく尽力するのは人間として当然の事ですが、他人である葬祭業者にできる精神的ケアの範疇は現実では限られておりますし、また必要以上に干渉・介入すべきではない部分もあるかと思います。

• 立場を踏まえて黒子に徹し、いかに御要望に沿った葬儀を実現するか
• 説明責任を果たし選択肢を提示した上で、いかにご遺族のご判断を仰ぎ、そして委ねるか
• ご家族様の今後の生活を考え、同じ葬儀内容であれば、いかに費用の軽減に努められるか
• 残された時間の中で、いかにゆっくりとお別れのできるひとときと空間を確保するか

思いを巡らせた結果、以上の事柄が葬儀社としての重要な課題であるとの考えに至りました。
上記の四項目を社是とし、スタッフ一同一丸となって業務に取り組んでまいります。
私自身は還暦を過ぎてなお未熟者で、まだまだ人生勉強の最中の身ですが、残り数年間の社会人生活において、わずかながらでもご遺族様のお役に立てるよう全うする所存でございます。
長文、かつ拙い文章にて失礼いたしました。

令和六年九月
葬祭アドバイザー
代表取締役 飯田 富喜雄