追分葬儀社

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美粧衛生

私がまだ、葬儀業界に身を置いていない頃、家族が亡くなりました。急死だったその身体は、時間の経過とともに顔色を一変させ、鼻や口から血液の混ざった体液を流出させました。拭っても、拭ってもあふれてくる体液が、その家族を失った悲しみに追い打ちをかけたことを今も忘れません。故人様の尊厳を守ると共に、ご家族の皆様の安心と安全のために美粧衛生をどうぞお役立てください。


美粧衛生師 高杉 美和子

旅立ちは優しさあふれるお顔で

美粧衛生とは

故人様の旅立ちへの身だしなみを整え、故人様を見送る方々が安心して寄り添っていただけるように、衛生的処置と化粧を施し、適切に冷却管理をして死後の変化を抑制すること、とされています。

衛生処置

ご自宅など病院以外の場所でお亡くなりになったとき、または医療機関で死後処置が行われている場合でも、適切ではなかったり、搬送や死後の変化などによって処置が必要になることがあります。近年では、血中ウイルス感染症など、さまざまな感染症が問題になっています。血液・体液・排泄物には感染の可能性があります。美粧衛生師が行う衛生的処置は、ご遺体からの感染を予防し、ご家族の安全を守る処置です。医療における標準予防策の考え方に基づいた死後の処置です。

化 粧

ご家族のご要望を理解することが、最も大切です。故人様が男性・女性に関わらず、濃いファンデーション・濃い口紅が塗られていたり、良かれと思って施されたメイクがご家族を悲しませていることも見受けられます。肌のお手入れを行い、整え、潤いを与えることで、ご遺体特有の肌や唇の乾燥を防ぎお別れまで潤いのあるお肌を保つことができます。化粧と呼ばれる行為すべてが、厚塗りの化粧とは限りません。

冷却管理

故人様のお身体は、冷却することで死後の変化を抑制することができます。単純に冷やせばよいということではなく、故人様の体格、栄養状態、ご逝去された環境、疾患の有無、病態などによって故人様に応じた冷却を行います。ご遺体の冷却状態を確認し、適切にドライアイスを補充し冷却を保つための管理のことを冷却管理といいます。

ご遺体の管理について

近年の医療の発達によって、お亡くなりになる場所が自宅から医療機関や施設へと移行してきました。今日では、亡くなった場所に関わらずご遺体の管理の大半が葬祭業従事者に委ねられています。ご遺体の管理を行う目的は、「故人様を最後まで人として敬い尊厳をもって葬る」ということにあります。「人として」という言葉は、故人様をものとして扱ってはならないことを意味します。ナイチンゲールは「患者に害を及ぼしてはならない」という、人権擁護の根源となる言葉を唱えました。遺体に対する尊厳の基本は「故人様に害を及ぼしてはならない」です。ご遺体の管理は、葬祭業従事者だけに任せるのではなくご遺族のご理解、ご協力が大切です。

< 故人様に害を及ぼす行為とは >

腐敗状況をまねく行為
損傷をまねく行為
プライバシーを公開する行為
遺体を暖める・不適切なドライアイスの装着など。
骨折・接触による表皮剥離など。
損傷、腐敗状況にある身体を人目に曝すなど。
腐敗状況をまねく行為

遺体を暖める・不適切なドライアイスの装着など。

損傷をまねく行為

骨折・接触による表皮剥離など。

プライバシーを公開する行為

損傷、腐敗状況にある身体を人目に曝すなど。

死後の処置について

死後処置の第一の目的は、ご遺体からの感染の可能性を予防することです。第二の目的は、お亡くなりになったことによって変化したご遺体の外観を整えることです。今日の医療現場では職務感染予防策として標準予防策に基づいた感染予防対策が実施されています。
※ 標準予防策:感染症の有無に関わらず、すべての患者の湿性の目視できる血液・体液・排泄物を感染の可能性のあるものとして取り扱うとする世界標準の考え方。
血液、体液、排泄物、嘔吐物等は、病原体が未同定(調べつくせない)ですから患者さんがご遺体に変わってしまった後でも、病原体の生存・繁殖といった性質上、感染の可能性があると考えます。ですから、ご遺体の帰宅後家族及びご遺体に携わる人々の安全に対する配慮として、適切な死後処置は重要です。また、病気や治療などによって現れたお顔の様子の変化を整えることで、ご遺体に対する尊厳とプラバシーは守られます。
一般的にお亡くなりになってから一晩が過ぎると、ご遺体は冷たく、硬くなり、顔の色が蒼白であるなどの様子がうかがえます。冷たいと感じるのは、ご遺体の体温の低下によるもの。硬いと感じるのは死後硬直のため、お顔に血色がなく蒼白に見えるようになるのは、ご遺体の血液の循環が止まってしまったためです。このように、ご遺体は時間の経過と共に変化します。また、ご遺体の搬送時の振動や移動時の傾斜などによって鼻腔や口腔、医療器具(医療用具)が抜去された後から血液・体液が流出する場合がありますので、そのような現象が起こらないようにご処置をさせていただきます。

< 処置内容 >

ご遺体の状況により、着替え・メイク・閉口処置は
行えない場合があります。

< 死後処置 >

腔部への詰め物、医療器具(医療用具)抜去痕処置、創傷の処置
※ 点滴、気管切開痕、胃瘻等からの出血、体液の流出、床ずれなどの処置
口腔ケア・閉口処置
乾燥予防処置
着衣の着せ替え(ご要望の場合)
スキンケア(ひげ・産毛処理を含む)
お化粧(ナチュラルメイク・カバーメイク)

美粧衛生の第一人者 橋本 佐栄子先生 エル・プランナー代表

ご遺体の処置、冷却管理、感染予防対策の重要性はもちろん、故人様の尊厳を守ること、また、ご遺族がどんなメイクを望んでいるのかを心を込めてご要望をくみ取ることがとても大切な事と教えていただいております。約 1万件以上の業務経験を持ち、現役の現場経験者であり、日本各地で葬儀社看護師・介護福祉士・看護学校教職員を対象としたセミナーや講演も開催されています。

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