弔辞の例文

弔辞の心得

弔辞は、故人の霊前で故人に捧げる弔いの言葉です。弔辞の依頼を受けた場合、自分がどのような立場の者として選ばれたかを考慮して、話の内容をまとめると良いでしょう。素直に自分の思い出の中にある故人を語る事が、重要なポイントです。
弔辞は、3分前後の長さにまとめます。原稿用紙で850文字から900文字を目安としてまとめ、実際に声に出して読んでみると良いでしょう。

弔辞の文章構成は、前文で語り出し、つづいて本文、そして結びの言葉となります。語り出しは、故人への呼びかけで始まります。本文では、故人の業績や人柄、あるいは受けた恩義などを故人への想いを込めて簡潔に述べます。結びは、一般的には安らかな永眠を願う別れの言葉でまとめます。

原稿が仕上がったら、巻紙に毛筆で清書します。

弔辞を読む際は、棒読みにならないように、故人に向かって静かに語りかけるように自然に読んでいきます。

友人への弔辞

○○、今私はあなたにお別れを告げようとしています。先月、一緒に食事に出かけた時はあんなに元気だったのに・・・突然、帰らぬ人になろうとは、誰が予想できたでしょうか。

振り返ってみれば○○と私との出会いは、大学の入学式でした。偶然に座った席が隣になった事がきっかけで、同じサッカーサークルに入り4年間夢中になって過ごしました。就職してからも、月に1回は必ず会って飲みに行きましたね。いつも仕事の愚痴や恋愛の話で盛り上がっていました。結婚してからも、住まいが近いこともあって、家族ぐるみのつきあいが続きました。

○○は、あの18歳の時からずっと変わらず誠実な友人でいてくれました。私にとって○○は、兄弟以上の存在です。○○が頑張っているから、私も頑張れる・・・いつもそんな思いで生きてきました。

○○、どうぞ安らかに眠ってください。また、天国であなたとお会いできる日までお別れです。

○○、本当に心よりありがとう。

恩師への弔辞

○○先生、謹んでご逝去を悼み、生前の温かいご指導に対し、あらためてお礼申し上げます。

先生に担任をしていただいたのは、もう○○年も前になります。その頃は、私も未熟で血気盛んであった事が懐かしく思い出されます。

先生には、3年1組の担任をしていただいただけではなく、テニス部の顧問として厳しい指導をしていただきました。

先生の英語のクラスは、いつも楽しく笑いで溢れていました。英語があまり好きではなかった私ですが、先生の熱心なご指導のおかげで中学を卒業する頃には、英検2級に合格する事ができました。『これは、奇跡としか言えない!』と友人たちからも、驚かれたほどでした。

また、テニス部では夏の合宿に同行していただきました。夏の炎天下で、生徒たちと一緒になって汗を流しながら元気にコートを走り回っていた先生のお姿が、深く心に焼き付いています。

卒業後も、年に一度のテニス部の同窓会には必ずご出席していただき、楽しい時間を過ごしました。また、私が大学の進路で悩んだ時も先生は親身に相談にのってくださいました。先生のアドバイスのお陰をもちまして、今では私も○○先生と同様に教職を天職として生徒たちと真剣に向き合う日々を過ごしております。

この度の突然の訃報、いまだに信じられない思いです。今後は先生が私に教えてくださった「大切な心」を忘れることなく、子どもたちに伝えてまいりたいと思います。

○○先生のこれまでのお導きに心より感謝し、安らかに永遠の眠りにつかれる事をお祈りいたします。