アイユーメモリーが、フューネラルビジネス2015年11月号「クローズアップ」に掲載されました。


旅行会社を早期退職し葬儀社設立 営業経験と人脈活かし事業を拡大


「 東京 ・ 中野区で一番の葬儀社 」 目指し創業したアイユーメモリー。
社長の内山雅樹氏は大手旅行会社で30余年の営業経験をもつ。
その経験と人脈を活かし社葬などの大型葬もとり行うほか、
海外で事件 ・ 事故に遭遇した日本人犠牲者の国際霊柩搬送も手がける。
旅行会社も葬儀社も 「 気を使う仕事 」 とする、その手腕が注目される。

大手旅行会社を“脱サラ”し 自宅を改装して葬儀社を設立
東京23区西部に位置する中野区は、JR ・ 私鉄 ・ 地下鉄が区域を東西に横断し、区内全域にわたり戸建住宅や集合住宅が密集している。人口は 32万0,697人(2015年9月1日現在)で、年間死亡数 2,680人(2014年)の葬祭マーケットを形成している。
その中野区内、西武鉄道新宿線新井薬師前駅から徒歩1分に本社をおく(株)アイユーメモリー(社長 内山雅樹氏)は、東証1部上場の大手旅行会社に勤務していた内山氏が“脱サラ”し、2003年1月に立ち上げた。


代表取締役
内山 雅樹 氏

大学を卒業後、旅行会社に入社した内山氏は、一貫して営業畑を歩んだ。そうした内山氏が葬祭業に関心をもつようになったのは、49歳のときに夫人を亡くし、その前年には夫人の兄が死去するなど、4年連続で親族を送った経験がきっかけとなった。
そのときは 「 将来的な仕事 」 として頭の片隅にとどめた程度だった。しかし、52歳のときに会社が事業多角化のアイデアを社員から募り、内山氏は葬祭業を提案。結局、「 不幸に関するものはビジネスとしては行わない 」 という同社の考え方から、その提案は採用されなかった。
その後、55歳のときに首都圏統括本部長に就任。営業部隊をサポートする役割で、はじめて営業の第一線を離れ、腰を据えて考えられる環境になった内山氏は、「 それなら自分で葬祭業をはじめたらいいのではないか 」 と考えるようになる。役員目前のポストであったが、「 社長にでもならない限り、会社にいられるのはせいぜい60歳代前半まで 」 と考え、早期退職をして葬儀社を立ち上げることを決めた。
「 そんなにむずかしく考えなかった。やる気さえあればできるんじゃないかと思いました 」 と内山氏。亡くなった夫人の友人で葬儀社に勤務経験のある野口昌子氏(現アイユーメモリー専務)を“三顧の礼”をもって迎えるとともに、現在は同社部長を務める子息の内山雅央氏を葬儀専門の人材派遣会社で約1年修行させた。
そうして、自宅の地階にあったトレーニングルームを改造して事務所とし、内山社長と野口氏、雅央氏のほかにスタッフ1人を加えた4人体制で03年5月から事業を開始した。アイユーメモリーという社名は、電話帳等で最初のほうに掲載されるように、「 ア 」 ではじまる名称を検討するなかで、「 友愛 」 の文字順をひっくり返す形で命名した。

社長宅の一部を改装して開設した本社
経験と人脈を活かし事業拡大 10人体制で3拠点を稼働
1年目の施行数は約10件だったが、旅行会社時代の人脈が活かされ、社葬など大型葬の受注が多かった。「 円満退社でしたから、役員の身内が亡くなったときに紹介してくれるなど、いろいろな人が応援してくれました 」 と内山社長は当時を振り返る。
葬祭事業への参入にあたって内山社長が事業戦略の3本柱として据えたのは、1)病院との提携、2)霊園との提携、3)国際霊柩搬送であった。病院との提携では、内山社長が旅行会社時代に最初に配属された支店がある上野に同社の支店を開設(2004年)し、病院専門に営業している。都内の葬儀社と生花、料理、返礼品事業者約20社で構成する愛信葬祭協同組合も 「 都立病院の入札には組合加盟社でないと参加できず、地元の葬祭組合の加盟を申し込んだが拒否された 」 ことから、04年に設立した。
霊園との提携では、東京 ・ 多摩地区に4か所、千葉県に2か所、埼玉県に1か所の霊園を運営するとともに、関連の霊園を多数をもつ霊園会社からの葬儀依頼を一手に引き受けている。
また国際霊柩については、大手損保会社と提携し、海外で亡くなった日本人の日本への搬送と国内で亡くなった外国人の祖国への搬送を行なっている。設立2年目からの事業で、「 海外で日本人が巻き込まれた大きな事件 ・ 事故の多くを手がけてきた 」 (内山社長)。13年に北アフリカ ・ アルジェリアの日本企業のプラントで発生したテロ事件でも多大な貢献をしたという。
現在、葬儀施行と国際霊柩搬送で年間約260件を取り扱っており、今年度は300件に達する見通しだ。営業拠点は、中野本社と上野支店のほか、多摩地区の霊園関係を取り扱う武蔵野支店(03年設立)の3か所。上野支店に常時2人、武蔵野支店には1人を配置しており、社長を含めた10人体制で業務対応している。
「中野区で一番」を目指し会館とサロンの開設を計画
同社では現在、自社会館を保有しておらず、葬儀の施行はこれまで火葬場併設式場や寺院会館などを使って行ってきた。しかしながら、家族葬が定着するなか、“ 家族規模の小規模な会館 ” を開設したい考えで、中野区内に適地を探しているところである。
また、本社事務所は内山社長の自宅の一部を改装したもので、お客様が事前相談などで気軽に立ち寄れるような店構えではないことから、新井薬師前駅近辺に事前相談等に対応するフューネラルサロンをオープンすることを検討している。
内山社長は 「 中野区で一番の葬儀社になる 」 ことを掲げてアイユーメモリーを設立した。「 まだ一番になっていないが、その目標は現在も変わりません 」 と内山社長。そのうえで、「 サービス業という観点からは、葬儀社も旅行会社も同じ “ 気を使う仕事 ” である 」 と強調。旅行会社における30年余の経験をベースに、スタッフにはサービスの徹底を図っている。
その甲斐あって同社のサービスは評判が高く、「 施主や会葬者からのリピーターや紹介が多い 」 という。そうした信頼の拡大をもとに、会館やサロンなどハード面の充実を進めることで、「 中野区で一番 」 の目標達成を目指していく。